2016年1月16日土曜日

東南アジア最高峰・キナバル登山 Part 2


日本を出て3日目。やっと登山当日です。

6:30 朝食~車で登山口へ
8:20 登山口出発
10:50 約半分の地点(標高2455m)
12:20 ラヤンラヤン・ハット
13:50 ビロサ・シェルター
15:50 ラバンラタ小屋着
17:00 夕ごはん
19:00 就寝

出発前に、こんなIDカードを配られます。これを無くすと、キナバル公園から出られなくなりますからね、住むことになりますよ、と脅される(^-^;) 

全員が身につけるIDカード

キナバル登山はこうして事前の許可が必要で、1日の入山者数が130人くらい(山小屋の定員)に制限されています。そして現地ガイドの同行も必須。だから山小屋でぎゅうぎゅうということもないし、自然へのダメージも抑えられ、雇用も確保されるというわけですね。もちろん遭難の数もぐんと減らせるでしょうし、とても良いシステムだと思いました。

昨夜と同じレストランでしっかり朝ごはんを食べて、車でティンポホン・ゲートと呼ばれる登山口まで移動します。ここで、山専門のガイドさんにバトンタッチ。こちらのガイドさんは、日本語は話せません。マレー語と英語。

ティンポホン・ゲート

今までで一番大きい山を目の前にちょっと緊張しつつ、出発。

小さな滝、Carson Fall

あちこちに咲いていた、キナバル・バルサム。色が飛んでしまいましたが、もっと綺麗なピンク色です。花びらの形がユニーク。

キナバル・バルサム

三角点のようなものがあり、これ何ですか?とガイドさんに聞いたら、「GPS!」と。

確かにG.P.S.と書いてある

キナバルでは、ほぼ1時間おきくらいにシェルターと呼ばれる休憩所が現れます。水洗トイレがあり(紙は持参しましょう)、大きなゴミ箱もあってしかも綺麗。荷物の上げ下ろしをするポーターさんたちがしっかり管理してくれているようで、ゴミがあふれているところなど一つもありませんでした。ついつい、同じ世界遺産である富士登山を思い出して比べてしまいます。山小屋でも思いましたが、快適さは段違い。

ダンボールを担いでいるのはポーターさんかな

キナバルは、半年ほど前に大地震があり、2015年12月1日に頂上までの登山が再開されたばかりでした。崩れた跡を補修したようなところもあちこちに。ちなみに小屋から頂上までのルートは以前とは違うそうです。

地震の爪痕

この日のガイドさんは、地震のときまさにここにおられたとのこと。死者も大勢出た中で、無事生き延びられたのでした。街でガイドしてくださった方は、お友だちを4人亡くされたそうです。

20種類以上あるというシャクナゲ

シェルターで休憩していると、リスが寄ってきます。どうやらキナバルリスというらしい。気づけば5~6匹、わらわらと…。エサは与えてはいけないのだと思いますが、あげてしまってる登山者もいましたねー。すっかり味を占めているようでした。かわいいのだけど。

すばしっこいキナバルリス

ボルネオは赤道直下にあります。なので、標高が同じくらいでも富士山とはずいぶん環境が違う。森林限界もかなり上の方でずっと木立の中を歩ける感じなので、小屋まではあまり紫外線も気になりませんでした。もちろん日焼け止めや帽子は使っていますが、富士山の突きさすような紫外線に比べれば、という話です。

ジャングルっぽい

マレー語もいろいろ教わりました。山で「こんにちは!」などと声を掛け合うのは世界共通なのですね。これだけで、ちょっと幸せな気分になれる(^^)

現地ガイドさんに教わり、よく使ったマレー語は…
「スラマッパギ(おはよう)」
「プランプラン(ゆっくりね)」
「ハティハティ(気をつけて)」
「トゥリマカシ(ありがとう)」
「サマサマ(どういたしまして)」

でも、「コンニチハ」と返してくれる外国人の方も多かったです。

お昼休憩

お昼ごはんは、朝に配られたランチボックス。サンドイッチが3つに鶏肉、りんご、ゆで卵、クッキーとシンプルですが、美味しかったです。特にこの小さな青リンゴが美味しかった!あとお水も500ml付いていました。

ランチボックス

道は、わりと急登続きです。この点は富士山と似ていて、ずっとずっと登る感じですね。途中、なだらかな道を楽しむようなところはほとんどありません。ただ、ほとんど階段状に整備されているのでとても登りやすかったです。あの頃の自分に比べたら体力もついたのだろうなと思います。

よいしょ

ラフレシアも見られない…とがっかりの中で、もうひとつの楽しみだったウツボカズラに遭遇。あまり大きな個体には出会えませんでしたが、自然の造形って面白いなぁと覗き込んだり。

食虫植物のウツボカズラ

殺気を感じます

ころんと可愛らしいつぼみ

椿の仲間かな?

雲の向こうに見えるのが、翌日に登る予定のキナバル山頂付近です。このときは、期待に胸を膨らませていました…

すごい迫力

小屋が近づいてきました。こちらは、ワラス・ハット。私たちが止まるのはラバンラタという一番大きな山小屋ですが、そこが取れないとこちらになったりするそうです。

ふつうの家みたい

ラバンラタ小屋が見えてきた

ラバンラタ小屋は、とても綺麗で快適でびっくり。山小屋のイメージを覆されました。売店で絵はがきを売っていて、海外には2リンギット(約60円)でここから出せるというので、温かいお茶をいただきながら両親に一筆(^^) 英語ももちろん通じます。

売店と受け付け

広々とした食堂

少し休んだらすぐに夕ごはん。山頂アタックは午前2時過ぎに出発なので、早めに寝なければなりません。

山の上とは思えない品数でした

3300mくらいの標高なのでビールは迷ったのですが、皆につられて1本だけ。初めて見るこの黒ビール、すごく美味しかったのですがなんとアルコール8パーセントでした。お値段はどのビールも26リンギット(約800円)。日本の山小屋と変わりませんね。

Royal Stout

食堂の外にはこんな風景が広がっています。絶景です。明日はあそこに立つんだよ~、などとワクワクの会話。

ピークが見えます

なんと、この山小屋にはシャワーもあります。トイレも水洗。そういえば登ってくるとき、ずっとパイプが引いてありました。

部屋に向かう廊下

部屋は相部屋ですが、このときは全員同じパーティーの仲間でした。一人ひとつベッドが確保されるというのは富士山に比べれば天国なのですが、二段ベッドの上がとにかく揺れて怖かった!高い所がちょっと苦手なんですよね、山に登っといて何を言う、ですが…

二段ベッド×3

朝が早いのでこの日は19:00くらいに電気を消して就寝。しかしクタクタのはずなのに、緊張感と高揚感でちっとも眠れないのでした。まさか登れずに終わることになるとはつゆ知らず、夜が更けていきます…

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